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パキスタン・シンド州。紀元前2600年にはインダス文明が興った地ではモヘンジョダロやハラッパーなどの発掘された遺跡はほんのわずかだそうです。発掘調査も止まっているそうで、塩害被害が甚だしい場所ゆえに消失が懸念され、早い再開が待たれます。
シンドで生まれたアジュラック(Ajurakh)。直線、曲線、草花、雲や波のモチーフが実に規則正しく並び、圧倒される美しさがあります。パキスタンの国立博物館にあるモヘンジョダロで出土した司祭王の胸像にはアジュラック模様の布が肩から掛けられているそうです。
インダス文明流域では綿花も栽培され機織りの技術も生まれ、シルクロードを渡って奈良時代には日本へも綿が渡ってきました。
アジュラックの作図能力、木版のブロックでプリントしていく技術、共に何千年も培われたものと驚き、男女ともに頭に巻いたり肩にかけたり腰に巻いたりと身近に愛用され、心に根ざす無限のデザインだと再認識させられます。今でも20近い工程で数週間かけて昔のまま手作りされているそうです。
アジュラックの色
全てが草木と鉱物などの天然素材を使ったナチュラルカラーですが、藍や茜は欠かせませんね。ちょっと日本の藍染にも似ています。アジュラックの意味はアラビア語の青をアズラック(azrak)と呼ぶところからきたそうです。インディゴは古くから染料や印刷にも使われ日本インド中国ではおなじみの染料でしたが、現代の若者にはアメリカのジーンズのイメージが強くあるかもしれません。こんなにたくさんの自然染料をアジュラックに使うそうです。すごい・・・
アジュラックの今
私がアジュラックに触れたのはバローチの方からのプレゼント。大判なので時々テーブルにかけて使っています。そして元パキスタン大使が任務を終え日本を去る時にお別れに訪れた日。大使夫人が来ていらしたアジュラックの素敵なシャルワール・カミーズ。それはお似合いでした。シンド出身のブットさんも愛用されたことでしょうね。
数年前のファッションショーでは、男性のモダンな服で登場していました。