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パキスタン・バローチの絨毯に魅せられて

パキスタンの荒涼地帯
みなさん、こんにちわ。株式会社クラウドナインの事務局です。
今回は、わたしたちが仕事の関係上よくお世話になっているパキスタン・イスラム共和国のきれいな絨毯のお話を紹介します。
パキスタン・イスラム共和国で暮らすバローチの人々が作る古い絨毯の美しさに魅せられた一人で、少しでも綺麗さが伝わればと思います。

バローチ

バローチ民族地図
バローチとは、現在のパキスタン、アフガニスタン、東イランの荒涼たる山岳地帯を山羊や羊を放牧しながら暮らす遊牧民です。左の地図の青い部分を放牧しています。
パキスタン4州のうち1つにはバローチスターンの名称がついています。1つの種族というより、バローチ語を話す部族をバローチ(The Balochi)と総称しています。
寒暖の差が激しく、雨の少ないこの地では農耕は難しく、数千年も前から大自然の中での壮大な放牧生活が続いてきました。移動が簡単なように持ち物も限られ、家も木と羊の毛だけで組み立てる簡素なものです。
しかしその質素な暮らしぶりを豊かにしているのが羊の毛を草木で染め、風の中で織る絨毯やキリムでした。防寒や収納の必需品である一方、孤独な生活では心を暖め、安らぐ空間を作り出してきました。
バローチ族の織る絨毯・キリムは、丈夫で持ち運びに便利な小サイズ、暖かな色合いで、1970年以降より注目を集め、世界の人々を魅了してやみません。しかし昔のものは特に現存するものが少なく、大変貴重です。

幾何学模様(geometric& intricate motif)

世界中の絨毯の歴史において様々な幾何学模様が織られてきました。部族独特の文様も発達し、子孫に代々受け継がれてきました。
ではなぜバローチの幾何学模様が特に発展したのか・・・遊牧民だからです。木を三角に組み立てた簡単な織り機は、いつでもパタンと畳んで移動できたのです。
複雑な文様ではなく幾何学模様だと、いつでも簡単に織り繋げられ、遊牧生活に即していたのでしょう。
その幾何学模様はイスラムの発展と共に複雑に進化を続けました。その他の保養は、絨毯の中央に大きく配置するメダリオンや動物のモチーフなどがあります。
直線や四角、多角形の組み合わせ次第でどんどん世界が広がる美しい模様。それが幾何学模様。幾何学模様は単調な繰り返しでも色が加わり、手織り絨毯の風合いに引き立ちなんとも印象的で心に響く文様になります。
これからもそんな遊牧民の絨毯(Tribal Rug)の魅力をお伝えしていきます。

幾何学模様2

幾何学模様


幾何学模様3

幾何学模様4

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