平織りの織物・キリム
ウールで作る丈夫なキリムは、羊の毛から糸を作り、草木で染め紡ぐというすべてが手作業。絨毯よりさらに細かい文様を織り込んであるのに驚きます。
昨今のキリムブームも加わり、遊牧民のキリムはマニアの間で買占めの動きもあると聞きます。定住または半定住の遊牧民が減ってきて、親から娘に織の技術が伝わりにくくなったそうです。どこの世界も後継者の悩みは文明と共に拡大の一途ですね。
でもやはり手作り、草木染のキリムほど美しいものはありません。
羊を飼いウールを売るのが仕事の遊牧民にとって、丈夫なキリムは販売目的ではなく生活必需品。女性たちが自由な発想で織ることができたそうです。家族への愛情を込めつつ織るキリム。風が吹きさらす外界から一歩家に入れば心までも暖かくなるキリム。お嫁入りのためにも織られたそうです。さらに愛情込めて織られたことでしょう。
Balouch of Farahのキリムの矢印
アフガニスタンのFarah辺りを遊牧するBalouchバローチ。
何枚かあるキリムの特徴はなんといっても細やかなデザインときっちりした織り。
鮮やかな色合いですね。これなどはクリスマスにぴったり
キリムは織られた場所を特定するのが難しいと言われるくらい、様々なデザインがあります。これらのキリムの特徴はなんといっても美しい色合いの矢印のボーダーです。本には1970年代、80年代に盛んに織られたとありました。