みなさん、こんにちわ。株式会社クラウドナインの事務局です。
これぞ19世紀後半のバローチカラーという絨毯の話。
オレンジカラーの分厚いバローチ絨毯もなかなか見ない逸品ですが、こちらも格別。
バローチを研究されている素晴らしい諸先生方、知識の豊富な絨毯のプロの方々がいる中で、素人の私が絨毯を語るのはおこがましいのですが、この一年バローチの絨毯を前に多くの書物を読み、実際バローチの方と暮らしてきた方々に話をうかがってきましたので
少しまとめてみました。
パキスタン、アフガニスタン、イラン東部にくらす遊牧民、半遊牧民のバローチ(バルーチともいう)。山岳地帯の砂漠ともつかぬ過酷な環境で山羊を飼って暮らしています。
遊牧民、特にイランのホラサーンやスィスターンのバローチの織る絨毯はまさにアート。
トルクメンなどの文化的な影響を受ける地域であったこともあります。外国からの刺激的な攻撃にさらされても、独自の言語や家族構成だけでなく、いくつかの習慣、テントの形に加え、絨毯に関しても確実にバローチの伝統的モチーフを守りかつ進化させていきました。黒光りする光沢のある柔らかい心惹かれる山羊毛の絨毯もそんなバローチが作り出しています。
パキスタン・バロチスタン州とは
パキスタンの南西部バルチスタンにも多くのバローチが住みます。アレクサンダー大王の大遠征の時代から、東西の国々がしのぎを削る戦場となってきた歴史的要衝です。この地方はインドの影響は薄く、むしろペルシャやアラブ文化、アフガンの影響を受けたバローチ人ゆかりの土地です。彼らのテントはブラックテントで黒い羊の毛で編んだ布で覆ってあります。
バローチ絨毯の特徴
まずサイズが小さい。村に定住している人々は機織り機もしっかりしているし、縦型のを定位置において使いますが、遊牧民の機織り機は移動の度にパタンと畳んで持ち歩くのでそれは小さく、土の上に平らに置く感じで織ります。サイズが小さくちょっと歪んでいたりしても本当に遊牧しながら織ったんだなという味わいが欧米にバローチを普及させた要因と思います。ペルシャ絨毯は高額ですので、バローチの価格設定も魅力です。
次に草木染の独特の色。ダークレッドとダークブルーの色の構成がトルクメン文化からインスピレーションを得ていると言われています。そして絶妙な白のアクセント。
バローチ絨毯の大部分は2つの領域から来ています。アフガニスタンでタイマニ トライブ、そしてイランのバローチ部族。
イランバルーチ絨毯は、緩く織られた柔らかいウールで作られており、腐食性のブラウン/黒の染料で着色されています。
全面的に非対称ペルシャ結び目を使用していて、結び目は小さく、しっかりと下にパックする傾向だそうです。
とにかくしなやかで柔らか、アンティークならではの絨毯は高価な機械織りに勝る見事な手仕事で未来への贈り物。私たちを楽しませてくれています。